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【工事監理は必要?】について

【設計図】について


設計図が必要な訳

確かな質の建築を作るには、必ず【設計図】が必要です。【設計図】はお施主様・設計者・工事担当者(工務店の現場監督)が、建物についての情報を共有するための重要なツールです。

建築に使用する材料には多くの種類があります。同じ分類の材料でも形状・厚み・質感・性能・価格等それぞれです。「床をフローリングにしたい」と言った場合、無垢にするのか合板でいいのか、どんな樹種にするのか、どんな接着剤・釘を使うのか、どんな塗装をするのか、下地はどうようにするのか等すべて設計図に記載します。
新しい材料も次々と発売されています。例えば壁を「珪藻土・しっくい・シラス」と言った左官材料で仕上げる場合、クラック(ひびわれ)が心配されます。ほとんどの材料は、メーカーが作り調合の仕方、施工方法、下地の作り方が指定されています。
時に指定の方法で施工しない現場に出くわします。「以前に使った材料に似ていたのでそのやり方で施工した」と言うのが返答です。工事担当者も職人さんも自分の現場で使用される材料について学習しない、設計図を精読しないのです。

木造の場合、柱と土台や梁とは、計算で算出された金物で接合することが建築基準法で定められています。職人さんの経験は重要だとは思いますが、仮に図面が無い場合に経験で金物を選択決定出来るとは思えません。良質な施工をする為にも事前に設計図を用意することが大切です。

設計図を元に工事金額の見積書が作成されます。前述のように使用材料の選択範囲は大きく、施工の方法により手間(人件費)は異なります。詳細な設計図によってこそ正確な工事金額が算されます。仮に工事金額の調整や工務店と工事費の折衝を行う場合にも、設計図はその作業を容易にします。

出来上った建築は目に見えるのは表面のみで、内部をすべて確認することはできません。後々、増築・改築・リフォームをする場合、詳細な設計図はとても役に立ち、賃貸・売却の際には資産価値がわかります。


木造でも杭が必要な場合があります

算出された接合金物

どんな設計図が必要か

工務店が作成したA3用紙3枚の設計図で、工事費が2000万円を超えるリフォームの設計施工契約をお考えの方から相談を受けました。
その3枚は、平面図・立面図・基礎の補強らしき図面・筋違いの補強らしき図面でした。基礎の補強図面は箇所が示されているのみで形状・配筋などの詳細はなく、見積書は曖昧でタイル貼・フローリング貼・断熱材入れ・ガルバリュウム鋼板貼といった記載のみ。性能(グレード)の記載はありません。建築材料もピンキリです。
A3用紙3枚でこの工事費の設計内容を表現することは、出来ないと思います。
愕くのはこれが普通だと思われてしまうことで、「詳細を明確にされた上で契約されることをお勧めします。」と申し上げました。


通常、私たちが作成する【設計図】をご紹介します。
木造2階建・延床面積約50坪の住宅の場合、A2(A3の2倍)用紙約40枚になります。

  • 仕上表:使用材料を明確にする。曖昧にされやすい図面です。注意が必要。
  • 配置図:建物の位置を表示する。門・フェンスとか外部工作物も記載する。
  • 平面詳細図:お馴染みの間取りと言う図面。縮尺は大きい方がいい。
  • 立面図:これもお馴染み。
  • 矩形図:断面図で高さ関係の寸法や使用材料を記載する。
  • 天井伏図:天井や軒裏の様子を記載。照明の位置の検討や指示に便利。
  • 詳細図:特に意図する施工、納まり、家具の製作などに必要。
  • 展開図:部屋の東西南北の壁の様子を記載する内部の立面図。
  • 建具表:建具の大きさ・材質・形状・鍵・取手・仕上げ・ガラスなどを記載。
  • 構造図も必要です
  • 基礎伏図:基礎の位置を示す。設計者により考え方が異なる。
  • 基礎詳細図:基礎の形状や鉄筋の組み方を記載。これも設計者により内容が異な立ち上りの縦の鉄筋にはフックをとり配筋する。
  • 土台伏図:土台の位置や太さ、大引・根太の太さやピッチ(間隔)を示す。
  • 2階床伏図:梁の位置や太さを示す。
  • 小屋伏図:屋根の梁の位置や太さを示す。
  • 軸組図:壁の柱と梁の様子や筋違いの様子を示す。
  • 接合金物図:柱と土台や梁との接合に用いる金物を計算し記載。
  • 電気設備関係
  • 使用する照明機器とその位置、スイッチやコンセントの位置を示す図面。
  • 給排水・ガス関係
  • トイレの機器・水栓金物、配管材料とその経路を示す図面。

基礎の立ち上りの縦筋にはフックをつける

使用材料の確認と調合検査

現場でのコンクリートの品質試験

実際の設計図の一部を紹介します
A2用紙約40枚
製本された設計図面
断面の様子を記載する
矩形図(かなばかりず)
内部の立面図
展開図
建具の詳細を記載する
建具表
基礎も設計者により異なる
基礎伏図・基礎詳細図
 
柱や梁の立面図
軸組図

現場を重ねてきますと、現場で正しく施工をしない部分がわかってきます。完成後に不具合があればお施主様、設計者、工事担当者、誰もうれしくありません。
「思い」を正しく形にするため、「思い」を正確に現場に伝えるため【優れた設計図を用意すること】が必要です。

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